第201話『寂しい』
「イチガミドロップファーナ付き!!」
「うぐ!?」
軽く人を蹴る衝撃が足の裏に響いた。両足ドロップは以外と本気でやっても痛く無い。当たり所の問題でもあるが軸足が無い蹴りって力が出ないと思う。勿論ギャグや魅せ技としては今も昔も変わらぬオイシイ技だ。
大きくバランスを崩してロードさんが床を転がる。そして俺もドロップなんてしたのでファーナを抱えたまま背中から思い切り落下する。
「コウキ! リージェ様!」
剣を抜いたアルゼが俺達を見て驚く。それに答えるでもなく俺は声を上げた。
「ぐああ!」
右肩の骨が甲高い悲鳴のような痛みを伝えてきてそれを反映する様に俺が叫んだ。痛い時ってたまにホント変な声が出るよな。
「ああもうっコウキ! 肩を痛めているのですから無理をしてはいけませんっ!」
実はドロップキックに関しては半ば事故である。
俺達は光の割れ目に飛び込んでそこから外に押し出されるようにして戻ってきた。その勢いが今の攻撃である。
ファーナに支えられつつ起き上がってビッとロードさんを指差す。
「説明しよう!! イチガミドロップファーナ付きとは! 割と痛いドロップキックだ!」
「誰に言ってるのですか!」
「げ、元気そうで何よりだよ……出れないと聞いたが大丈夫だったのか」
「うん。中で神様の知り合いに会って出して貰えたよ」
「……何処に突っ込めばいいのやら」
アルゼはため息を吐いて、呆れたと小さく頭を振る。
俺達の話が終わった時にファーナが振り返って、ロードさんのほうを見た。ヨロヨロと立ち上がって此方を見て、忌々しい物を見るように顔を顰めた。
薄暗い研究塔の最上階の鏡の間は、鏡から発せられる光によって何とか各々の位置が把握できる程度である。俺達は鏡を背に立っていて、彼女がそちらへ逃げられないように道を塞いだ。
「さぁ、わたくし達は出てきました。
約束どおり大人しくなさい」
毅然とした態度でファーナは座ったままズルズルと下がる彼女に言う。
「……どうやって、出てきた?」
「ぶっ壊した! 出れないとかずるいぞ!」
俺達の言葉にロードさんは絶句した。その様子にファーナがすかさず核心を突いた言葉を投げかける。
「やはり知っていましたね? 試練など無くて、此処からは出ることができないと」
ただロードさんは黙って俺達から視線を逸らした。
「……理由を話してください。
貴女がそうなった理由がヴァンツェにあるのなら尚更です」
そう、ヴァンが何かやっていたという話もあった。
その詳細がわかれば、もう少し彼女の態度の理由も分かると思う。
俺達から視線を逸らして一度目を閉じると、観念したかのように息を吐いて立ち上がった。ただ戦意は無く、彼女は壁にもたれかかってただ足元を見ていた。
「……私は、記憶を改竄されていた」
「改竄?」
ファーナが聞き返すと彼女は頷いた。
「……あの男はまず私の記憶を消した。
私は死ぬ毎に記憶の5%を失いながら生き返る事ができる。
それを利用し、私を13回殺した。それで約私の半分の記憶を奪った」
それがどれ程辛い事なのか。理解は出来ないが、死ぬ事が死ぬほど辛い事なのは分かる。変な言い回しになったが死に至るまでは痛いし、意識が遠くなっていく感覚は怖い。死ぬ瞬間は幸せとか言うけれど、俺はそんな事なかった。生きてたいって思うからだろうか。痛いとか悔しいとかそんな感情ばっかりが渦巻いて引き摺られて落ちていくみたいに意識が無くなる。二度とやりたいとは思わない。
それを押し付けたというのならやっぱりそれは良くない事だ。ヴァンは一体何を考えていたんだろう。
「……消えるのは私生活、行動の記憶からだ。術や術式の記憶は殆ど消えなかった。
それを利用して、あの男は私に自分を慕う者として記憶を作るように仕向けた……!」
自分を抱くように強く腕を掴んで、彼女はカッと顔を上げた。
震える手は怒りだろうか。本当に怒りが身体の全体に行き渡ると、身体が震える。どれだけ感情で押さえても手先がブルブルと震えてくる。まさにその状態のように見えた。
「分かるかこの失望が! この絶望が!
あの男はそうやって、私を此処に監禁して研究をさせた……!
感情で作った檻で囲い! 無害を装い、自分はのうのうと生きた!!
アイツはそういう最低の奴なんだ!」
ガンッと片手を壁に打ち付けながら矢次に叫ぶように彼女は言った。
ヴァンがそんな事を、と言葉に詰まった。
本人が居ないから確かめようが無い。嘘だって言えればいいんだけど、ヴァンは俺達の中では一番大人だし、秘密も謎も多い。信用も信頼もしているけれど、ヴァンがやってきた事を全てを知っているわけじゃない。今違うなんて叫んでも、俺が嘘を吐いているだけのような気がする。
ファーナがその言葉を聞き終えて少しだけ考えるように顎に手を当てた。
「本当に……そうなのですか?
あの人の為に研究したのは……騙されていたからなのですか?」
「そうだ!」
「……本当に?」
「くどい!」
「わたくしには、信じられないのです。
貴女がヴァンツェの為に研究してきた時間は、成果は。思いの丈でしょう? 先ほどの術もその成果なのでしょう?
貴女は世界に至るほどの術士になった。
それは、誰の為ですか?
ヴァンツェの為にでしょう?
なのに何故、そんな事が言えるのですかっ!
何故嘘を吐くんですか!」
「嘘など吐いていない! 私は!!」
「わたくしは! 貴方がヴァンツェに愛していると言っていたのを知っています!」
「……!?」
今まで殆ど表情に変化の無かったロードさんに明らかな焦りが見えた。微かに恥ずかしそうでもある。ファーナから目を逸らして口を噤んだ。
「それは嘘偽りなのですか……!
騙されていたからなのですか!? 違うでしょう!
そこにその感情あって貴女は努力した!
何故! それは其処に、貴方がヴァンツェと約束した真の約束が存在するからでしょう!」
先ほどまであんなにも勢い良く語っていたロードさんは言葉を失って何かを小さく呟いていた。目の端には涙すら見える。しばらくして急に糸の切れた人形のようにズルズルと壁にもたれたまま座り込んだ。
丁度その時此方へと足早に向かってくる足音が聞こえた。
鉄の擦れる重い音ではなく、革靴が石を叩く軽い音だ。と言う事はロザリアさんじゃない。程なくして扉をノックして勢い良く姿を現した。
「失礼します!
ロード、一つ分かった事が。
あれ、皆さんどうしたのですか。研究塔に居るのはめずらしいですね」
失踪してたヴァンを探さなきゃ。
そんな事を考えていたような事もあったけど、普通に家に帰ってきたみたいな調子のヴァンツェ・クライオンが「こんばんは」と頭を下げた。
そういえば一度パーティを離れた時も結局ヴァンから戻ってきていた。今回もこんな形で再開して結局俺達に探させてはくれないらしい。とはいえ下手に動くと俺達が探される羽目になってしまいそうだけれど。
銀色の髪をかき上げて、ヴァンが一息ついた。この塔を徒歩で上がってくるのは意外と重労働なのだ。一応塔の中間は城の回廊と繋がっているけれど、それでも塔をぐるぐると回る螺旋階段は色んな人の体力を付けてくれるだろうと思う。
とりあえず俺は大袈裟に手を叩いてヴァンを見た。
「うわぁ、凄いタイミングだよヴァン!」
「グッドですか」
グッと親指を出しつつも真剣な表情だ。俺はそのヴァンにとても爽やかな笑顔でグッと同じく親指を出して言ってやった。
「グレートに話がもつれる」
「出直します」
ヴァンはそう言うと、くるりと踵を返した。
「待ちなさいヴァンツェ!」
「ああ、リージェ様そうお怒りにならないでください。私が姿を消した事には訳があるのです」
「それも! そう! なのですがっ!」
ずいずいとヴァンに寄っていって、ファーナが下から睨む。
「乙女の心を踏み躙る悪漢に!
今正義の炎が燃えています!!」
ゴォォっとファーナの背中に高らかに燃える炎が見えた気がした。
ファーナがどうやら向こう側につくようである。
正義の炎が燃盛る彼女は今正に目に炎が宿ったかのように赤い。元からだけど。
「……お、お手柔らかにお願いいたします……」
流石に苦笑いで、彼も言った。
俺達がヴァンに事情を説明している間、鉄の軍靴の音を響かせてロザリアさんが戻ってきた。
ロードがファーナが言った通りに大人しくしていて抵抗しなかった。そしてその場の片付けが始まった。ロードさんは一度牢に入れられる事になり、この事を国王様へ報告をせねばならないとヴァンを連れられ三人で謁見に向かう事になった。城内を歩いているだけでヴァンを見かけた騎士や学士が無事だった事を喜んで声を掛けてくれていた。
俺達が部屋に到着して間もなくして王様と王妃様が現れた。
「久しぶりだなヴァンツェ。ついに戦場で消し炭になったかと思ったぞ」
「お久しぶりです国王様。このたびはご心配おかけして申し訳ありませんでした」
ヴァンはいつも通りだった。
王様の冗談を華麗にスルーして少しは嫌味の一つでも返せよと言われていた。
「うむ。さて、何から訊こうか……」
「まずは手近な事件から行きましょう」
「では報告を」
「それはわたくしからお話します」
まずは俺達に起きた事件を話す為にファーナが手を挙げた。
突然小箱の影響で記憶を取り戻したロードさんが俺達を攻撃してきた。彼女の攻撃で俺とファーナが巻き込まれて怪我をした。騒動ではアルゼとロザリアさんが協力してくれたお陰でそこまで酷くはならなかったけれど。
簡潔な事実を述べて
「そしてヴァンツェ」
本題、と言わんばかりにファーナがヴァンを見て凄んだ。
余りに真顔で言う姿に王様も王妃様も驚く。
「おい、何をやらかしたんだ?」
「いえ、身に覚えはあるのですが」
「あるのかよ!」
「ロードの事です」
「あ、あぁ……」
「お父様のご存知でしたか」
ファーナが視線を向けると王様は少し気まずい顔をしてから睨むような表情でファーナに言う。
「……ロードと言う人間を知らないなら、お前は黙っていなさい」
「納得できません!」
声を荒げるファーナ。当然俺達はただの被害者なのでそういう行動を取るの正しい。
「過去何があったかをお話しする事は出来ませんが――」
ヴァンがファーナを落ち着けるように冷静に言葉を出す。
「今回の件について。
私が責任を取り、彼女と共に国を出ます」
「そ、それは行き過ぎでは……!」
ファーナが席を立って言うが、落ち着きなさいとヴァンに諭される。
「行き過ぎでしょうか?
仮にも国王ご息女に手をあげ、護衛役に傷を負わせました。
いかな理由があったとはいえ、私の罪も、貴女を怒らせるに至った。そうでしょうリージェ様」
「でも、理由があるのなら……!」
「貴女は行為に怒ったのであって、理由に怒ったのではないでしょう?
私がやった事も当然良くない行為の一つです。貴方の不快を買うのも当然。
貴女は此処では国の象徴なのですから。もっと感情には均衡を、人の言葉には疑念を持ちなさい」
「ですが、身内の責ではありませんかっ。アルゼとロザリア、そしてコウキとわたくし。この四人が納得していればその事については不問に出来る。それは簡単な事ではありませんか」
「リージェ様」
「……はい……」
「貴女のせいではありませんのでご安心ください」
「でも……!」
「それは表ざたになったらそうしてしまえば良いと言う話です。
これは一つ決意表明のつもりだったのです。
まだ私の話は終わってません。
まずは聞いてください」
ファーナは怒ったり焦ったりしょぼくれたりと忙しいようである。対してヴァンだけはずっと笑っていて楽しそうだ。真剣な表情も見せたけれど、全体的には期限がいいように思える。
「私は戦争中に魔女に言われた言葉がひとつ引っかかったので、単独で“ダルカネルの塔”へ向かいました。
そう、魔女に言われたのは『貴方の名前は、ダルカネルが知っている』という言葉です」
「そんな事言われてたのか」
「ええ。一瞬名前を教えてくれるのかと思ったら違いましたし」
「なんで俺達に声掛けてくれなかったのさー」
「すみません、魔女の口車に乗せられて嵌められるだけだと皆さんを巻き込む事になってしまいますから。
一応彼女も魔女ですし、此処では人の」
「俺達はいくらでも頼ってくれていいのに……」
「有難う御座います。
だから不甲斐無くも頼りに戻ってまいりました」
「ホント?」
「ええ。ロードの知識とコウキの嗅覚に期待しているのです。
ようやく私は私の正体に辿り着けそうです」
だからきっとずっと機嫌が良いのだろう。
頼ってもらえるのは嬉しい事だけど、なんか更にマグナス家の方々がむすっとしてる。
「ウィンド。アリー。
貴方達が幸せになれたなら、私はこの国にもう必要ないのですよ。
私の事情で長くあける以上、席を置いておく必要はありません。
貴方達は貴方達で進んでいってください」
「そうか……」
ヴァンが旅に出て居ても国は回っているし、酷い問題が出たというニュースも流れていない。それだけヴァンが優秀な人物を育てていたという事でもある。
「ヴァンが居なくなると、寂しいだろ」
今は全く、その後の此処の風景なんて分からない。今ですらヴァンの居ない教会の執務室は、スゥさんと一緒に主が戻るのを待っている。
「ははは、今生の別れと言うわけでもありません」
「でも、それに近いのでしょう?」
初めて口を開いた王妃様が、悲しそうに言う。王様もそうだ。
過してきた時間が長い分、深い意味での寂しいという言葉になる。
沈黙してしまえば空気が重くなるから、ヴァンは言葉を続けた。
「今後は私は何処につく気もありませんから。フラフラしていれば何れは戻ってくる事もあるかもしれません」
それが何時になるのか分かりはしない。ヴァンはジャンピングスターのお陰で神出鬼没を極める人物になった。確かにいつでも戻る事は可能だが、だからといって常々戻るかというとそうじゃないだろう。今の言葉からだともう戻らないと取る事が容易だ。
だからこそファーナが今耐え切れなくなった涙腺から涙を零した。
「だから泣かないで下さいリージェ様。
それではあの時から何も変わってないみたいでは在りませんか」
「……そりゃそうだよ。ヴァン戻って来ないんだろ」
「はい。戻りません。ここの日常からは消え去ろうと思います」
「何故ですか」
「人の寿命を考えて、長く同じ者がその役職に居てはいけない。
王国ですから王や王妃は別ですが、各大臣は今貴族の持ち回りです。
短いスパンで変わる事を考えなくては、人の世の政治は上手く回りません。
ただ貴族だけで世界が回る事も避けるための騎士です。一般からも隊長に上り、議会発言を出来るようになりました。
私が居なくなるのは後でも先でも同じです。
だからウィンドとアリーが健在なうちに、私はこの席を立ちたかった。
本当の意味で、貴方達の国になるのです」
ヴァンが何を言いたいのかは分かる。
シィルが死んで。二人は子供を持って老いて。
自分だけ其処にそのまま居続ける。それは辛いことだ。
王様がバンッと机を叩いてヴァンを睨む。
「此処はお前の国でもある!
故郷だ!
私達が作ったんだ!
そんな風に……!
無かった事みたいに言うな……!」
「怒らないで下さい。
分かっています。
大切な国ですよ。
何時までもこうであって欲しいと願った国です。
ただ、こうなるほど深く関わる気も無かったのも真実です。
私は既に、クラハのように国の端で静かにしているべきだった存在ですから」
「私達が……迷惑ですか」
「これ以上私を縛るのならば迷惑です」
ヴァンが言ったその一言はで、スッと王妃様が立ち上がった。
「ヴァンツェ。
わたくし達は確かに貴方に頼りすぎていた。
……だから有難うございます。
もうグラネダは貴方が居なくても大丈夫です」
それだけを言って王妃様は部屋を出た。コツコツと遠ざかる足音が聞こえて、部屋には俺達四人が残された。
気まずい時間が少しだけ空いた。それを笑うようにヴァンが息を吐いて、言う。
「怒らせてしまいましたね。
いや、相変わらず私には厳しい人だ」
「ヴァンツェ……アレが素直に言う事を聞くのはな、天変地異の前触れだ。
お前も私達の家族なんだよ。此処を家と呼んでくれていい。お前はそれだけ国に尽くしているし、国に必要とされている。
お前がこの職から退く事を責めはしない。
だがファーネリアはお前が居なくなると泣く。羨ましい事だな。
だから一つだけ……最低の親から最低の嫌味を言わせてくれ。
この子を置いていくのか」
王様は、ヴァンに殆どファーナを育ててもらっていた。
育ての親であるヴァンが居なくなる。その辛さはファーナにしか分からない。
片時も離れない護衛役として、親として。俺やアキも含めて丸ごとだったけれど、よく面倒を見てくれた。
「はい。私はリージェ様の行く末を何一つ憂いては居ませんから」
ヴァンがファーナを見て、笑いかける。
不安たっぷりと言うよりはファーナには不満が今たっぷりあるようで頬が頬袋にどんぐりを詰め込んだリスみたいになっている。あんまりにも触り心地が良さそうなので、ぷにっと頬っぺたを突いて見ると顔を真っ赤にして反対側を向いてしまった。更に不満を増やしてしまったようだ。
おっちゃんはそれ以上何も言う気は無いようで、ふぅ、とため息を吐くと席を立った。なんか二人とも言葉少ないなぁと思う。扉を開いて出る前に、一度だけヴァンを振り返った。
「まぁ……私としては気安い友人が居なくなるのは寂しい事だ。
たまには顔出せよ」
「そういってくれるのはありがたいです」
「全く。お前は自分を厄介者だと思っているのだろうが、そうでは無いぞ。
国の代表として。
敬意を持って、礼を言わせて貰う。
今までありがとう、ヴァンツェ・クライオン」
それが最後にしてはとても寂しいと思った。
そのまま王様は扉を開いて、退室する。扉はただ静かに閉められ、俺達だけが残された。清々しいほどにあっさりとその話題は終わった。
ヴァンを引き止められないのは、その後継もちゃんと育てているし言ってる事はもっともだしヴァンを知る二人だからこそ、縛らずにその言葉だけで見送る事にした。俺達には計れない絆があって、そうしたのだろう。
「ヴァンツェ、わたくしは!」
急にファーナが立ち上がってヴァンに言う。
それには俺もヴァンも驚いてファーナに視線をやった。
「貴方達の過去を知りません!
聞いても……教えてくれないのでしょう。
だから、わたくしから言える事も、お父様とお母様と同じなんです!
国の為に尽くしてくれてありがとう御座います!
でもわたくしは! いいえ! わたくしだけではありません! スカーレットもです!
貴方がこの国から居なくなるなんて……っ
寂しいではありませんか……!」
そう言ってファーナが席を立ち部屋から去った。
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