第225話『地下へ』

「ダルカネルってなんで罠ばっかり仕掛けるんだ?」
 最初の扉を前に俺は頭を傾げた。
 昔々のお墓なら分からなくも無い。金銀財宝と共に埋められるため墓荒らし対策に壮絶な罠を仕掛けるなんてこともあるんじゃないのかと思う。
 この世界のこの時期と言えば確かに術式が発展してきているもののまだ近代的とはいえないのでそういった事をやる人は多いのだろうか。考えてみれば身近にそういう事をやる人を一人知っているのでそういうのは珍しくも無いのかもしれない。
 そんな現代術式罠を俺に身を持って教えてくれた張本人が銀色の髪を揺らしながらせっせと指先で何かを光で文字を書き連ねていた。忙しそうに見えて脳には余裕があったのか、手も止めずに笑って言った。
「お客様歓迎用じゃないですか?」
「歓迎用に鉄球転がす人とかはじめて聞いたよ」
 殺意しか感じない。催涙スプレーみたいな煙と同時に外に押し出す仕掛けが一番鬼だと思った。普通の人死ぬし。
「まぁ真面目に答えれば、それだけ秘密にしたい事があると言うことです。
 よほど偏屈で独占欲の強い方だったのでしょう。でなければこんな辺鄙な地に塔など設けません」
「そうなんだよなぁ。塔って大体街の近くに建てられるものだよな。あ、あと高い場所とかね。
 全部に当てはまって無いんだこの塔」
 別に周りに街の跡も無いし遺跡っぽくもない。かといって新しくも見えないんだよな。変な塔だ。
 形は円筒形で上に行くに従って少し細くなっている。階段は端に付いていて一階ずつ必ず経由して上がる形になる。見張り塔なら中間の層は必要無い。灯台がこんな構造をしていたような気がする……まぁ作り方について専門知識があるわけじゃないし、研究塔として部屋をかせいだのなら全然ありなつくりなんだと思う。

 暫く黙ってヴァンが準備するのを見ていて、キリが良かったのかヴァンが手を止めて此方を振り返った。
「時にお二人方……アキもできればでいいのですが、地下の遺跡を覚えていますか?」
 ヴァンが聞いてきてすぐにそれは思い出せる。
「覚えてるよ! すげぇ腐乱臭に悩まされた所だろ!」
「確かに死体の臭いが篭って酷いところもありましたね……」
 ファーナが口元に手を当てて困ったように笑う。ゾンビが襲ってくるなんて外国で大人気のアトラクションになりそうだ。
「俺は二度と行きたくないね」
 全く、足は折れるし腕は斬られるし、キツキは変になるし最悪の場所だった。
 俺が鼻息荒く言っているとファーナとアキが苦笑いする。共々余り良い記憶は出てこないようだ。
「ははは、そうですね。
 で、その遺跡の一部が目の前にあるわけですが」

 ヴァンの言葉に素直に驚いてヴァンと周囲の景色ぐ何度も視線で往復した。
 見た事のある石煉瓦の積み重ねで出来上がっている巨大空間はいつぞやの大迷宮に確かに似ていた。オーマイガっ! と頭を抱えてからヴァンに抗議する。

「今! 俺! 二度と行きたくないって言ったじゃん〜!」
「では待っていますか?」
 ヴァンが悪戯っぽい感じに笑う。
「やだよ! 冒険したいよ!!
 ペナルティが無いんなら俺は何度でもインディ・ジョーンズになるよ!」
 折角普通以上の身体能力があって、剣と魔法の世界に居て冒険しないってどういうことなんだよ!
 お宝にありついた事は無いけど、今扉が黄金だからもうここがゴールなんじゃないの? いやまだ冒険は始まってない。
「誰なのかはわかりませんけれど、それなら良かったです。
 さあそろそろ開けましょうか」

 ヴァンツェ・クライオンが振り返ったのは黄金の扉――。
 ダルカネルの研究塔の地下への入り口は、塔の入り口の脇にある大きめの井戸だった。前に来たときはただの枯れた井戸だと思ってスルーしたけど、こんな場所があろうとは。
 井戸の底を暫く歩くと、上の塔と同じ材質の床に変わってすぐに扉が現れる。金色の両開きの扉は手を掛ける場所は無く、ただ石の土台を手前に置いてあるだけの謎空間だった。
 ロードさんがペタペタと触りながら数十分調べ、その間突き出た土台に四つの宝石を置いてなにやら準備をしていたヴァンだったがその準備は終わったらしい。いざとなったら横からぶち抜く作戦の提案もしたが、どうやら壁にはびっしりと強化術式が行き渡っているらしくそういう事はやめた方がよさそうだという結論が出た。
 研究塔はどうやら地下に眠る遺跡の一部らしいと結論付けたのはロードさんだ。術式を使って遺跡の一部を地上に露出させるように上へと持ち上げたようだ。その術式には興味深いとロードさんが興味深々なようで楽しそうである。

「術式:万能鍵<ひらけごま>ァ!!」
 これに違いない、と思ったわけでもないがやっておきたかったのでとりあえず言う。割と真顔だった為にファーナが俺と扉の方を何度か視線を往復させた。
「なんですかその呪文は」
「壱神呪文シリーズのその一!
 シンドバットに対してやりたかったんだけど、丁度扉があったから。
 まぁ言いたかっただけだ!!」
 グッと拳を握って俺は悪くないと言わんばかりに意気込んで言う。何時ものパーティーメンバーどころかスゥさんとロードさんにも馬鹿だろう見たいな目で見られた気がした。
 今日も俺は元気です。

「では行きましょうかね」
 ヴァンが石の土台の上に置いた宝石に手を翳す。とフワッとダイヤがそれぞれの色を強く光として放った。全ての光が合わさって扉に白い光として到着すると、スッと扉に取り込まれ術式ラインのような光が円形に広がった。
 そして重苦しい物が動く音が響き、目の前の扉が両開きに開いて奥へと進める道が開けた。
「良し! 俺一番前がいい!」
「はいお任せします」
 ヴァンは気前良く俺に先頭を任せると自分は一番後ろで、と申し出る。
 俺とアキが先頭、その後ろがファーナとルーメン、そしてロードさんを背負ったスゥさんとヴァン。大事なのはロードさんは荷物兼スゥさんのオートガード担当と言う事である。
「スゥさんファーナと並んでなくて大丈夫? と言うかメイド服で大丈夫?」
 スゥさんはグラネダで見ていた姿と全く変わりないメイド服である。赤く長い髪をまとめた褐色の肌の女性は無表情に頷いた。
「はい。わたくしには心配は無用です」
 きりっとした表情ではっきりと言い切る。何時もと変わらないように見えるが、若干緊張しているようにも見える。まぁすでにロードさんを背負っている姿に疑問を持たなくなったのでその点に関しては愚問なのだろうか。
「……スカーレットの体力は人並み以上だ。
 私の術式補助もある」
 スゥさんの後ろで本を開いているロードさんが頭だけ後ろに倒して仰け反るのような姿勢でこちらを見て不敵に笑った。
「ロードさんのそれもどうかと思うけど。歩いて健康になろうぜ!」
「……私は一日二十五歩以上歩くと筋肉痛になるんだ」
「だめじゃん。俺達と一緒に旅して暮らせば一週間毎日七時間歩いても筋肉痛にならない不屈の肉体が手に入るよ」
 いや、割と必須なスキルだけどね人として。
「……私が一ヶ月不眠不休で働いても死なない身体を提供するから君が私を背負って歩けばいい」
 くわっと凄い表情でロードさんが笑う。洒落なのかどうか微妙な所だがネタとして流してしまおうと決める。
「それロードさんの眷属になってる感じだよね? 絶対そうだよね?」
「ククク……さぁな……」
 不気味に笑うこの人は、已然悪役っぽい感じがする。仲間になったとは言え警戒はしておかないといけないんだろうな。
「ロードさんは運動したくない症候群かー」
「そうですね、動いた方が良いとは思うのですがこの性格ですし」
 スゥさんが頷きながら言う。別にスゥさんは背負う事自体は問題じゃないと言う。四十キロ程度で大図書館が持ち運べるなら軽いものだ。
「太っちゃうぞー?」
 女性に対しての魔法の呪文。もっとも恐ろしい言葉のはずだ。
「……ふん、私とは無縁の言葉だ」
 そう言いながら頭を戻したロードさんはペラリとページをめくった。
「そういえば最近少し重くなりました。
 以前が軽すぎたのですが、やはり食事を毎食摂る様になったからでしょうか」
 ぱん、とその瞬間本が閉じられた。
 そして石畳には乾いた音が二度響く。
「……歩く」
 ――かの大魔道士も気にするお年頃のようだ。まぁ見た目は二十台、隈が酷いぐらいで肉体は常にその年齢を保つらしい。

 扉がの中の螺旋階段を進んで二十五歩で根を上げたロードさんを再びスゥさんが背負ってから再びグルグルと階段を下りる。
「うへー。暗いなぁ。魔女が出てきてもおかしくないな」
 まぁあの魔女は基本的に神出鬼没を極めているので何処にでも現れるんだろうけれど。別に暗いところに現れるわけでも無いけど、あのスッと湧いて出る感じが何時も突然で怖い。
 俺の言葉を聞いたアキが、何かを思い出したように訊いてきた。
「そう言えばコウキさんのお姉さんは昔何の属性にだったんですか?」
「え? 何藪から棒に……俺の姉ちゃんは俺以外にはノーマルな人だよ」
 俺と絡んでさえ居なければただの可愛い人だったのに、と姉の友人にも言われた事がある。俺もそう思う。
「なんでわたしの方がアブノーマル前提なんですか!? わたしも普通ですぅ!」
「普通に男が好きと」
「そ、そうですよ」
「男好きと!」
「ほう」
 ヴァンが反応してニヤニヤと一緒に笑う。
「……む。ヴァンツェは止めておけ」
「なんかニュアンス変えて受けとめるの止めて下さい〜っ!」
 変な方向に向いてきた話にアキがわたわたと訂正する。
「いやそうじゃなくてですね! 何の神子様と一緒だったのかなって!
 何となく今気になっただけなのに〜っ」
 ああ、そういうことか。姉と言えばブラコンという属性から他の性癖的なものかと。
「確か……すげー強い意味の神子だったけど、なんだっけヴァン」
 俺が聞き返したのは前回から今回、この世界唯一の生き証人ヴァンツェ・クライオンである。
 彼がそういう役目を負ったことにも意味を感じずには居られない。この旅を突き詰めれば、何か見えるものはあるだろうと思う。
 ヴァンは静かに頷くと真剣な表情で言う。

「……“証明”の神子ですね」

 ヴァンがいうと昔の記憶にピントがあうような形でジワジワと思い出す。
「証明?」
 ファーナが首を傾げて俺をみた。
 言われて、ああ、と俺の脳内にもそれに関する記憶を言葉にかえ始める。しかし俺よりもすぐにヴァンがそのことについての大まかな話を始めた。

「神子とシキガミが同時に勝利認識した場合に使える勝利確信が酷い強さでしたね。

 勝気なシキガミと一緒になる事で――“戦わずして勝利”を可能にするペア。

 証明の神子と月の神子の兄妹対決だったようですね」
「そうそう、俺とその子は二人とも年下だったからかなんか上手く証明認識は出来なかったんだ」
 だから結果は呆気なく終わって唖然としてしまった。そんな隙が出来たから呪いまで貰ってしまうはめになったのだ。
「まさかの死因シスコン・ブラコン……あの人達らしい最後だよ。
 でも本当に勝利証明は強かったけど、条件が凄くてさ」
「どんな条件だったんですか?」
「神子とシキガミがお互いの勝利を確信する事。
 相手が何人でも、誰にでも、どんな状況においても!
 それさえ出来ちゃえば、何にでも勝てたんだ」
 お互いが勝てると何の疑いも無く何の憂いも無く思っていれば勝てる。
 それがどれ程難しい事か。自分だけでは無く、相手の事も確信できていなければいけない。
 しかし、あの二人はそれが出来ていた。何の為に戦っているかをはっきりと持ち、お互いに負ける気など一握も持ち合わせない。特に俺達を背にした時は怒涛の全勝を誇る最強ペア。
 証明の力は強大で、強固だ。今の俺で言えば主に竜士団印が身近にある証明という力を借りたものだ。決まった証明分に本人の名前で光る文字が使えるようになる。本人が書いた場合のみにしか発光せず、光り方が独特で偽造も難しい。千円札の光るトコみたいな技術だな。
「証明が確定したらどうなるんですか?」
 アキが首を傾げると赤茶色の長い髪が揺れる。
 俺は正直あの力を語るのは、呆れることぐらいでしかその凄さを表現できない。

 ・・・・・・・・・・
「何が起きても絶対勝利する。

 例えば相手が自分達ぶっ飛ばしても、“相手がボコボコになって喋れない状態”で決着する。
 勿論自分たちは無傷で」
 放った攻撃は必ずその人の脇をすり抜けるし、石を投げると手前に落ちる。唯一絶対無双の勝利証明の完了はお互いがそれを認めてすぐに起きる。
 唯一のの天敵が、神子の妹、シキガミの弟。
 どちらもわが子のように恋人のように溺愛して何年も過した。
「い、意味がわからない能力ですが、凄いですね」
 何が起きたのか全く分からないがとりあえず負ける。あの能力は本当に怖かった。
「でも弱点もあったんだ。
 単純な“勝利”の認識の場合、それが発動した後にジャンケンを持ちかけるとその勝利証明が発動する。
 結果、俺達はジャンケンで負けるけど、その後の戦いには勝てる」
 一旦そこで勝利証明は終わる。その空白時間は勝利証明の影響は無い。
「成る程、そうやって勝利したのですか」
 ファーナがそう言って感心したように頷くが、俺はいや、と首を振る。
「いや、戦闘勝利の証明しそうだったからシスコンに付け込んで勝ったよ。
 簡単に言うと、

 『ぐへへ、妹を攻撃できるかー?』『卑怯なー! ぐわー!』が全貌だよ」

 自分で言って何だがわりと最低な勝ち方だ。フェアかフェアじゃないかと問われると首を傾げてしまう。でもあの二人に勝つ唯一の方法がそれだ。
「そう聞くと酷い戦いに聞こえますね」
「そう。まぁ、言ってたの本人だけど」
 わたしを殴れるか、と問いかけながら術式を使っていた珍しく勇猛なあの子に俺は救われた。あの子の放った術が神子を庇った姉ちゃんに直撃し、先頭不能に。続いて当てた術で俺達の勝ちとなった。
「それで恨みを買って呪いですか」
 ファーナがムッとした表情で俺に言う。
「そう。シキガミのカードと俺を結びつけたんだ。

 “シキガミの証明”が俺の呪いの正体ってことなのかなー」

 カードに浮き上がる名前はもう消えない。あのカードは前回からずっと俺のカードだ。性格を与えるのはコインみたいなんだけど。あれは神様が頑張って俺達に見合う形のシキガミを作ってくれる。
「……どうにかしたいものですね……」
「どうにかっても、神様級にならないとどうにもならないよ。だからファーナには期待してるっ」
「……! はいっわたくしがコウキを助けます!」
「おおっ気合十分!」

 俺達のやり取りが終わる頃には丁度三階建ての建物ぶんぐらいの高さを降りた所で真っ直ぐな廊下に変わった。
「真っ直ぐになったな。ファーナ明かりを先行してもらえる?」
「はい。わかりましたっ」
 そう言ってスッと顔の近くに手を翳して集中する為にスッと眼を閉じる。腕の術式ラインが光って、明かり用の炎の球体が俺達の前に現れた。
 紅い眼を開くと準備は終わりました、と俺に言って頷く。
「おっけー! じゃあ行こう!」
 上の階と違って焼き石の敷き詰めた床ではない。人工的に加工された石ではあるが一枚一枚が一メートルぐらいある大きな石だ。うん、あの遺跡のボスの部屋がこんな感じの大き目のブロックだったかな。手入れされているせいか此処の廊下は綺麗で清潔感すらある。
「綺麗だななんか。
 罠とかないんじゃね?
 あははらくしょあああああああああああああ!!!!」

 大手を振って歩き始めてすぐに落とし穴がばっくりと開く。
 落とし穴に落ちなかった試しがないな。

「コウキさーん!?」
「うおおっ落ちてない、落ちてませんし!」
「ギリギリじゃないですか!」
 穴の縁に掴まっていた俺はなんとかアキに引き上げられる。一番前用の洗礼だ。
「カゥ、キュッ!?」
 ボクが運びましょうか、とルーメンが提案してくるが俺は起き上がりながらゆっくりと首を振る。そしてハードボイルドな顔でフッと笑った。
「ルー、この程度で根を上げてちゃいけないんだ此処は。もっと酷いのが沢山ある……けどな」
 俺はスッと道の先を振り返ってあおり気味に顔を傾ける。
「その先にはきっと、俺達の冒険魂を満足させてくれる凄いものがあるはずなんだ……」
 シリアスタイムはそれで終わり。
 みんながポカンと俺を見る。
「行くぞルー! 此処を飛び越えるんだ!」
「カゥー!」

 助走をつけてルーと一緒に落とし穴を飛び越えるように大きく跳ぶ。

「俺達の冒険は――これからだうあああああぁぁぁぁぁぁぁ……!」
「キャゥーーー!?」

 ガコォ、と着地した石も大きく真ん中から割れてぱっくりとした落とし穴に変わる。俺とルーメンは成す術もなく奈落の底へと吸い込まれていった。

「ちょ、コウキさん!? ルーちゃん!?」

「ははははは! いや本当にコウキは期待を裏切りませんね!」
「コウキー!? 大丈夫ですか!?」

 ルーと一緒に落ちたのでそもそも大丈夫だった。道の先に着地して安全を確認すると全員を呼ぶ。
 安心の罠だらけ構造で多少先が思いやられる。道を渡った先でヴァンが楽しそうにしながら俺の肩を叩く。
「落とし穴をそんなに楽しめるのはコウキだけだと思いますよ」
「というか最初から二段仕掛けって罠多いよやっぱさ!」
「恐らくダルカネルの塔だからと言うんじゃなくて、これ罠だらけの大迷宮の一部を使用しているから罠だらけなのですよ。勘では在りますがダルカネルが作ったのは入り口の仕掛けだけでしょう。それ以外は妙に古めかしい上に術式も古く、弱いです。
 だからこそ貴方の危機回避能力はとても信頼しています。さあ、皆で協力してこの塔の地下を踏破しましょう」
 確かにそれもそうだ。大量に罠を仕掛けたのではなくてそのまま使っていたというのならばこの多さに説明がつく。
 ヴァンに頼られているといわれたら応えざるを得ない。
 俺は気分を新たにして気分良く一歩目を踏み出した。
 五歩進んで、罠を踏んだのは――スゥさん。声に出さなかったが、酷く驚いた形相で足元の沈んだ石から足を離した。全自動防御役が、やれやれとため息を吐いた。

前へ 次へ


Powered by NINJA TOOLS

/ メール